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ゆっけ先生、転職を考えてはいるんですけど…なんとなく 「動かないほうがいいかな」 って気持ちがあって、ずっとそのままなんです。

ゆっけ
それ、本当によく聞く話。実は、転職に踏み出せない理由のほとんどは「勘違い」で説明できるんです。今日は、獣医師の転職活動で多くの人が信じ込んでいる11個の勘違いを、ぜんぶ正面から崩しに行きます。
獣医師の世界は閉じやすく、「動物病院=院長=絶対」みたいな空気が、ほかの業界より強いと私は感じています。だからこそ、勘違いを早めに捨てておくことが、自分のキャリアを守る最大の防具になります。
本記事でわかること
- 獣医師が陥りやすい 11の勘違い とその正体
- なぜ動かない選択が 実はリスク なのか
- 「市場価値」を 正しく捉える視点
- 勘違いを捨てた後、最初に何をすればいいか
勘違い① 「転職は裏切り・逃げ」だ
これが一番大きい勘違い。転職は裏切りでも逃げでもなく、自分のキャリア戦略の一手です。
獣医師の世界には「育ててもらった恩」を返せという暗黙の圧があります。でも冷静に考えてみてください。
- 給与は労働の対価としてすでに払われている
- 病院側はビジネス判断で雇用を決めている
- あなたが辞めても、病院は別の人を採用する

ゆっけ
「育ててもらった恩」を理由に低待遇に縛り付ける院長、正直けっこういます。それ、経営者として労働者を抱え込むためのレトリックであって、本当の善意とは別物です。
勘違い② 「自分の市場価値は今の年収」だ
私は今400万円だから、転職しても400万くらいだろうな…
これ、半分以上の獣医師が信じている勘違い。今の年収は「今の病院が払いたい額」であって、市場価値ではない。
実際、エージェント経由で動くと、
- 同じ経験で年収+50〜100万円
- 残業ほぼゼロ+年収据え置き
…みたいな案件は普通にあります。動かない限り、自分の本当の値段は永遠に分かりません。
勘違い③ 「大手チェーン病院=安定」だ
これも王道の勘違い。
- 経営方針の急変(買収・院長交代)
- 全国転勤命令
- 「マニュアル診療」で技術が伸びない
- 数字目標による圧

ゆっけ
「大手だから安定」は、会社員の昭和の発想を獣医師業界に持ち込んだだけ。獣医師の安定は「自分の技術」と「市場価値」が作るもので、所属先のロゴが作るものではありません。
勘違い④ 「今の病院が、自分には一番合っている」
比較対象がないだけ。
5年同じ病院にいて「ここが一番合ってる気がする」と思っているなら、ほかを知らないだけの可能性が極めて高いです。
転職活動を始めて他院の話を聞いた瞬間、
「えっ、こんな働き方があるの?」 「うちの病院、相場よりだいぶズレてた…」
と気づく獣医師を、私は何人も見てきました。
勘違い⑤ 「求人サイトだけ見ていれば十分」
求人サイトには、業界の 3〜4割の求人しか載っていない と言われます。
残りは、
- エージェントの非公開求人
- 知人紹介・口コミ
- 学会・勉強会経由
サイトしか見ていないと、最初から市場の半分以上を捨てているのと同じです。
勘違い⑥ 「1院だけ面接して、そこに決める」
新卒・若手にとくに多いパターン。比較対象がない状態で「ここしかない」と思い込んで決めてしまう。

ゆっけ
これは本当にやめたほうがいい。最低3院は実際に面接・見学してから決めるのが鉄則。比較して初めて「うちの院長の人柄、相場より厳しめだったんだ…」みたいな相対評価ができるようになります。
勘違い⑦ 「退職を切り出すと揉める・引き止められて辞められない」
法律上、退職は労働者の権利です。
- 期間の定めがない雇用:退職の意思表示から 2週間で退職可(民法627条)
- 契約期間ありの場合も、やむを得ない事由があれば即時退職可
「人手不足だから辞められない」「半年は引き継ぎを」みたいな引き止めは、法律的にはあなたを縛れません。

ゆっけ
もちろん円満退職はベストですが、「揉めるのが怖いから辞められない」は完全に思い込み。最悪、退職代行サービスもあります。
勘違い⑧ 「30代・40代は転職市場価値が下がる」
逆です。獣医師業界は経験者を慢性的に欲しがっている。
- 即戦力として執刀できる
- 後輩教育ができる
- 経営目線で動ける
20代の若手より、30〜40代の中堅の方が高く売れる場面は普通にあります。「年齢で諦める」は本当にもったいない。
勘違い⑨ 「転職活動はリスク」
これが一番根深い勘違い。
正解:転職活動は完全にノーリスク。
- エージェント登録:無料
- 情報収集:無料
- 面接:在職中でも調整可能
- 「やっぱりやめた」と途中で抜けてもOK
リスクなのは「転職活動」ではなく、「転職活動をしないまま、悪い病院に居続けること」。動かない方が、長期的には圧倒的に損をします。
勘違い⑩ 「綿密なキャリアプランがないと転職してはいけない」
これも完璧主義の罠。
- 5年後のキャリアビジョン
- 専門領域の決定
- ライフプランとの整合性…
…全部考えてから動こうとすると、永遠に動けません。

ゆっけ
私の場合、産業動物→公務員→ライターと、走りながら方向修正してきました。最初から完璧なプランがあったわけじゃない。「次の1歩」が見えていれば、それで十分です。
勘違い⑪ 「転職エージェントは強引に転職させてくる」
まともなエージェントは、むしろあなたの温度感に合わせます。
- 「今は情報収集だけ」→ そのスタンスでOK
- 「1年後を視野に」→ そのペースで進めてくれる
- 「やっぱりやめた」→ 普通に対応してもらえる
押し付けてくるのは ハズレの担当者 だけ。即チェンジ依頼すれば解決します。
エージェント登録 = 即転職、ではありません。「相談相手を持つ」だけのつもりで使うのが一番賢い使い方です。
11の勘違いを、一覧でおさらい
勘違いを捨てた後、最初にやるべき3つのこと
「勘違いがいくつか当てはまった」と感じた方へ。次の3ステップで、まず動き始めてみてください。
- 転職エージェントに2〜3社登録(無料・ノーリスク)
- 市場価値の客観評価をもらう(年収相場・需要のあるスキル)
- 求人を3〜5件、実際に話を聞く(比較対象を作る)
ここまで行けば、「動くべきか/とどまるべきか」の判断材料が揃います。

ゆっけ
動かないと決める場合も、情報を持った上で「動かない」を選ぶのと、何も知らないまま「動けない」のは全く違います。前者は戦略、後者は思考停止です。
まとめ:勘違いはあなたの未来を奪う
転職に踏み出せない理由のほとんどは、勘違い・思い込み・古い常識です。獣医師業界は閉鎖的なぶん、これらの勘違いが特に強く残っています。
11選を改めて1行ずつ確認して、当てはまるものがあれば、その瞬間に勘違いだったと認めてしまうのが一番の近道です。
転職するかしないかは、その後で考えればいい。まずは「選択肢を持つ」ことから始めてください。
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※ 本記事は筆者の経験と、獣医師の転職市場で見聞きした事例に基づきます。法律・契約に関する具体判断は、専門家にご相談ください。