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女性獣医師が小動物臨床を続けられない理由——40歳までに8割が辞める現実

·11 分で読めます
#女性獣医師#小動物臨床#ライフイベント#キャリア#産休育休
ワン

ワン

ゆっけ先生、女性獣医師って 40歳までに8割が臨床現場を離れる って本当ですか…?

ゆっけ

ゆっけ

本当です。ベテリナリオの調査でも数字として出ています。個人の問題ではなく、業界構造の問題として理解しないと、何も変わりません。今日はその実態を書きます。

「女性獣医師が続かない」は 本人のがんばりの問題ではなく、構造の問題 です。これから獣医師になる女性、今まさに悩んでいる女性、両方に届けたい話です。

本記事でわかること

  • 女性獣医師の 臨床離脱率と背景データ
  • 続けられなくなる 5つの構造的な理由
  • 産休・育休・復職の リアルな壁
  • それでも臨床を続けるための 選択肢
  • 臨床以外の キャリアの広がり

まずデータから:何人が辞めているのか

獣医学生の 男女比は、ここ20年で女性が多い世代もある くらい変化しています。一方で、現場で働く獣医師の女性比率は伸びていません。理由はシンプルで、入った人が続かない から。

| 年齢 | 臨床現場に残っている女性獣医師の割合(おおよそ) | |---|---| | 20代後半 | 90% | | 30代前半 | 70% | | 30代後半 | 40% | | 40歳時点 | 20%以下 |

ワン

ワン

…40歳で5人に1人しか残っていない、ですか。

ゆっけ

ゆっけ

数字としてはそうです。これは 「女性が弱い」 のではなく、業界が女性のキャリアを支えられていない ということです。


続けられなくなる5つの構造的な理由

① 体力勝負が続く労働環境

小動物臨床は 1日12〜13時間×週6日 が標準。20代のうちは耐えられても、30代に入ると確実に体に出ます。

  • 大型犬の保定で腰を痛める
  • 立ちっぱなしで足が浮腫む
  • 慢性的な睡眠不足で免疫が落ちる
ゆっけ

ゆっけ

男女問わず体は壊れますが、妊娠の可能性がある時期にこの環境を続けるのはリスクが大きすぎる。これは生物的な事実です。

② 妊娠中の業務制限

妊娠が分かると、診療業務に大きな制限がかかります。

  • レントゲン撮影に立ち会えない
  • 麻酔ガスのある手術室に入れない
  • 大型犬の保定ができない
  • 抗がん剤の取り扱いができない
  • 重い物を持てない

つまり、妊娠中の獣医師はできる仕事が大幅に減る。それでも給料を払い続けてくれる病院ばかりではないのが現実です。

③ 産休・育休が取りづらい

法律上は取得できます。ただし、現場の空気は別問題

| 状況 | 実態 | |---|---| | 大手チェーン病院 | 比較的取りやすい | | 中規模個人病院 | 院長次第(取れない病院も多い) | | 小規模個人病院 | 「取られると業務が回らない」と退職を勧められることも |

ワン

ワン

退職を勧められる…?

ゆっけ

ゆっけ

はい、信じがたいですが、いまだに普通にあります。「育休明けに戻ってきても、ポジションがない」みたいな話も。これが「個人病院」で働くリスクのひとつです。

④ 復職時のスキルダウン

1〜2年の育休後に復職しようとしても、「ブランクがある人は採用しづらい」 が多くの病院の本音。

  • 麻酔・薬剤の最新事情についていけない
  • 手術勘が落ちている
  • 夜勤・呼び出しに対応できない

復職を支援してくれる病院は、まだ少ないのが現実です。

⑤ 夜勤・呼び出しと家庭の両立

子育て中、最も厳しいのがこれ。

  • 入院動物の急変で深夜呼び出し
  • 子供が熱を出しても代わりに勤務する人がいない
  • 残業が読めず、保育園のお迎えに間に合わない
ゆっけ

ゆっけ

パートナーや実家のサポートがフル稼働しても、それでもギリギリ。サポートが薄い場合、続けるのは現実的に不可能になります。


それでも臨床を続けるための選択肢

「諦めるしかない」という話ではありません。続けるための選択肢もあります。

① 大手チェーン病院への転職

  • 産休・育休制度が整っている
  • 復職プログラムがある
  • 時短勤務が可能なケースが多い

② 二次診療施設への転職

  • 夜間呼び出しが少ない
  • 完全週休2日が多い
  • 専門性で勝負するので、時短でも価値が出せる

③ 行政・公務員獣医師への転職

  • 産休育休が法律できっちり保証
  • 残業少なめ・土日休み
  • 復職しやすい
  • ただし年収はやや下がる

④ 企業転職(製薬・ペットフード等)

  • 完全土日休み・残業少なめ
  • 育児との両立がしやすい
  • 臨床から離れることへの抵抗感はある

⑤ 開業(自分の理想の働き方を作る)

  • ハードルは高いが、自分でルールを決められる
  • 時短診療・予約制で回す病院も増えている
ゆっけ

ゆっけ

特に最近は、「女性院長が、女性スタッフと一緒に働きやすい病院を作る」 という流れが広がってきています。これは希望のひとつ。


後輩女性獣医師に伝えたいこと

私が同期や後輩を見てきて、特に伝えたいことが3つあります。

① 「続けられない」のは自分のせいじゃない

業界構造の問題です。個人の根性や努力で乗り越える話ではない

② 早めに「移ること」を選択肢に入れる

20代のうちから情報を集めて、ライフイベントが起きる前に移るのがベストです。妊娠してから動くのは、選択肢が一気に狭まります。

③ 「臨床を辞める」=「キャリアの終わり」ではない

臨床を離れても、獣医師としての道はたくさんあります。「臨床に居続けることが正解」という思い込みを捨てるだけで、ぐっと楽になります。


まとめ

  • 女性獣医師の 40歳までの臨床離脱率は約8割
  • 理由は 体力・妊娠中の業務制限・産休育休・復職・夜勤 の5つ
  • これは 個人の問題ではなく、業界構造の問題
  • 続けるためには 環境を変える 選択肢を持つ
  • 早めに動く ほど選択肢が広い

これから獣医師になる女性、今悩んでいる女性、すべての人に「自分を責めなくていい」と伝えたいです。


ゆっけ

ゆっけ

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