ワン
ゆっけ先生、小動物臨床を辞めた話、ちゃんと聞きたいです。きっかけになった出来事って、何だったんですか?
ゆっけ
…よし、今日は逃げずに書きます。きっかけは1つの出来事じゃなくて、いくつかの「限界の積み重ね」 でした。順番に話します。
「小動物臨床を辞めた話」を、誰かが正直に書いておかないと、後輩が同じ罠にハマる。美談にも自虐にもせず、起きたことだけを書きます。
本記事でわかること
- 辞める 直前に起きた決定的な出来事
- 「もう無理」を確信した きっかけのサイン(複数)
- 悩んだ期間の 頭の中で起きていたこと
- 家族・周りの反応 と、それにどう向き合ったか
- 辞めた後の 生活と気持ちの変化
辞める半年前:自覚していた「違和感」
最初におかしいと思ったのは、辞める半年くらい前。朝、目覚ましが鳴る前に勝手に目が覚める ようになりました。
ゆっけ
4時とか5時に目が覚めて、そこから眠れない。「今日のオペ、大丈夫かな」「昨日の入院の子、輸液足りてたかな」って頭が回り出すんです。起きてしまえばもう寝られない。 これが週3回くらい続いて、慢性的な睡眠不足になりました。
それでも当時は「みんなこんなもんでしょ」と思ってました。獣医師の友人と話しても「わかる」「うちもそう」と返ってくる。業界全体が同じだから、感覚が麻痺していたんです。
辞める3ヶ月前:体に出たサイン
睡眠不足が続いた結果、体に出始めました。
- 食欲が落ちた
- 休日も病院のことを考えてしまい、何も楽しめない
- 飼い主さんと話してて、突然涙が出そうになる
ワン
…それ、相当きてますよね?
ゆっけ
きてました。でも、当時の自分は 「気合いが足りない」と思って自分を追い込んでいたんです。今思えば、ここで気付くべきだった。
決定的だったのは、ある日の手術中に手が震えたことです。簡単な避妊手術で、針糸を持つ手が震える。経験的にやれる手術なのに、体が拒否している。「これは続けられない」と確信した瞬間でした。
辞める1ヶ月前:決めた日
きっかけになった出来事は、たぶん他人から見たら大した話ではないんです。
その日は朝から飛び込みの急患が3件、午後は予定の倍の手術、夜は入院動物の急変で22時まで残って、ようやく家に帰った。翌日が休みのはずだったんです。
朝6時に電話。入院動物の状態が悪い。すぐ来てほしい、と。
ゆっけ
着替えながら、なぜか涙が止まらなくなりました。「行きたくない」じゃなくて、「行けない」。体が動かない感覚。それでも結局その日は出勤して、夕方まで仕事をしました。
家に帰った後、初めて「辞める」という選択肢が、自分の中で現実味を持って出てきた。それまで何百回も頭をよぎっていたけど、その日初めて「決断」に近い形になりました。
悩んだ期間に頭の中で起きていたこと
決めてから動くまで、1ヶ月くらい揺れました。頭の中で繰り返していた問いはこんな感じ:
| 問い | 自分への答え | |---|---| | 6年間の学費が無駄になる? | ならない。経験はどこでも使える | | 動物が好きで獣医になったのに、辞めて後悔しない? | 倒れて続けられなくなる方が、もっと後悔する | | 同期はみんな続けてる、自分が弱いだけ? | 同期の半分も限界に近い。気付いてないだけ | | 次が決まらなかったらどうする? | エージェントに登録して市場価値を確認する |
ゆっけ
特に 「6年間が無駄になる」という呪い が一番強かったです。でも、これに振り回されて壊れる人が一番多い。経験は無駄になりません。 どのキャリアに行っても、臨床経験は強みになります。
家族・周りの反応
家族は、最初は驚いていました。「せっかく国家資格があるのに」と。
ただ、私が体調を崩していたのを近くで見ていたので、最終的には 「あなたが決めたなら応援する」 と言ってくれました。これは本当にありがたかった。
ワン
職場の同僚や院長への報告は、つらくなかったですか?
ゆっけ
つらかったです。引き止めもありました。「あと半年だけ」「次の人が来るまで」みたいな話。ここで断れずに半年延びると、結局1年延びる のが業界あるあるなので、退職届を出す日を自分で決めて、それを動かさないようにしました。
辞めると決めたら、情で動かないこと。これは本当に大事です。
辞めた後の変化
正直に書きます。
良くなったこと
- 朝、自然に目が覚めなくなった(深く眠れるようになった)
- 食欲が戻った
- 休日に「何もしない」ができるようになった
- 飼い主さんではなく、自分の家族と過ごす時間が増えた
- 体重が3kg戻った
失ったもの
- 動物と日々接する機会
- 「先生のおかげで」と言われる瞬間
- 同僚と症例を語り合う時間
ゆっけ
失ったものもちゃんとあります。辞めれば全部解決ではない。ただ、得たものの方が圧倒的に大きかった、というのが正直な感想です。
同じところで悩んでいる人へ
これを読んでいる人の中に、辞める前の私と同じ状態 の人がいると思います。
- 朝、目覚ましの前に目が覚める
- 休日も頭が休まらない
- 体に何らかのサインが出ている
- 「気合いが足りない」と自分を責めている
ゆっけ
これ、全部「危険信号」です。気合いの問題じゃない。続けてたら壊れます。
「辞める」という選択肢を、まず 頭の中で正式に存在させてあげる ことから始めてください。決断するのはまだ先でいい。でも「辞めるのはダメ」という呪いを外すところは、今日から始められます。
まとめ
- 辞める前には 必ず体や生活にサインが出る
- きっかけは1つの大事件ではなく、限界の積み重ね
- 「6年間が無駄になる」という呪いは外していい。経験はどこでも使える
- 引き止めには 日付を決めて動かさない こと
- 辞めて失うものはある。でも得られるものの方が大きいことが多い
同じ場所で悩んでいる人の、ほんの少しでも背中を押せたら嬉しいです。
ゆっけ
辞める・辞めないをいきなり決める必要はありません。まずは「市場にどんな選択肢があるか」を知るだけでいい。エージェント登録は無料、相談だけして使わなくてもOKです。情報があるだけで、心の余裕が生まれます。
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